’12 旅B初夏篇 美瑛・富良野・襟裳・帯広 Vol.3

2.アーカイブス

<2日目-1> 2012年7月13日(金)

雨はあがったようです。でも空一面、低い雲が垂れこめていて、、いつまた降り出すか分からない空模様です。

ホテルの窓からの「富良野の町」
今にも雨が降り出しそうです。

小生、今日は朝飯抜きです。昨日「富良野駅の駅弁」購入に失敗したからです。今朝も駅弁到着は10時を過ぎるとのことで、完全に諦めるしかありません。ちくしょう!「ふらのとんとろ丼」、喰いたかったナ!!

その空腹を癒やすため、小生、あることを思い付きました。食欲という本能を別の感情に置き換えるということです。具体的にプランを申し上げると・・・

①まず、駅近くにある「北の国から資料館」に行きます。

②そして、ドラマで使われた小道具類などを見て感動の涙を流す。ということです。特に“見つからなかった運動靴※”は号泣必至ですからネ。

※亡くなった母(いしだあゆみ)の葬儀のため、東京(恵比寿)に戻っている純と蛍。葬式準備のあわただしさから逃れるため、二人で公園(恵比寿公園)に来ている。そこに、母の愛人・吉野(伊丹十三)がやってきて、二人に新しい靴を買ってやろうと言う。

近くの靴屋(インペリアル靴店)で、買ってもらった新しい靴と履き替え、二人が今まで履いていた古い靴は処分してもらうことになってしまう。

そしてその夜になり、純は捨てた靴が気になって仕方がない。蛍も同じ気持ちのようだ。父・五郎(田中邦衛)が富良野の町で、なけなしの金を払って買ってくれ た靴だ。そして、その靴で北海道の大地をかけまわり、たくさんの思い出を共に刻んできたのに・・・

by
たいらばやし

何かとても大切なものを失くした気がして、急に靴屋まで駆け出す二人。しかし、店はシャッターが下りていて誰もいない様子。そこで、二人は店のゴミ箱を必死 に探し始める。

巡回中の警官(平田満)がそれを見つけ「おまえら、何やってんだ!」と叱責する。純がその訳を話すと、同情してくれた警官は二人と一緒になって靴を探してく れる。(しかし、遂に靴は見つからなかった・・・) 第23話 Shouseipedia  

このように、空腹感を“感涙にむせぶこと”で忘れようというプランです。早速重い荷物を肩に抱え、2日目のスタートを切ります。

・・・

午前8時30分、「北の国から資料館」に到着です。が、扉は固く閉まったままで、人の気配がありません。開館時間を見てみますと・・・午前9時です。小生の空腹対策プランはここで頓挫です。

というのも、午前9時20分発の列車に乗らなければならないからです。たかだか20分では館内を回りきれませんからネ。それに、以前入館したこともありますし・・・

https://goo.gl/maps/miZ9wWm1ntywA9N38

※「北の国から資料館」は閉鎖。 何ということだ!あの運動靴はどこへいってしまったのか?・・・ああ、神様!

これにて、「北の国から」ともキッパリお別れです。でも、誤解しないで下さい。“今回はという限定副詞がつきますからネ。小生にとって、「北の国から」は永久に不滅です!これからも、時々“思い出し泣き※”させて頂こうと思っています、ハイ

※「思い出し笑い」の変形造語

・・・

時刻通り列車が動き出しました。南富良野町の「幾寅駅」を目指します。40分ほど空腹に耐えなければなりません。あ~あ・・・

根室本線 快速「狩勝」
-JR北海道キハ150系気動車

神経が胃袋に集中しないよう、小生、出来るだけ別のことを考えます。すると、面白いモノを発見です。前のシートに座っている“鉄道オタク”と思しき青年です。

細身で黒縁メガネ、神経質そうなお顔立ちです。頭は決して悪くはなさそうで、逆に聡明そうに見えます。でも・・・どうしてこの種の人達は同じようなタイプなのでしょうか?・・・

by
くりまん

小生、なおも観察を続けます。すると、膝の上の資料を盛んに調べて、何やらノートに筆記しています。何を書いているのか?・・・そうかと思うと、急に眼を閉じて眠る様子です。そして、また急に眼を開け、資料を調べノートに筆記。この一連の行動を繰り返します・・・本当に不思議な種族です。小生には到底理解できませんネ。 (※あんたも親戚のようなものですヨ。)

そうこうしているうちに、列車は「幾寅(いくとら)駅」に到着です。小生の降りる姿を見て、その鉄道オタク君、急に首をひねって窓を覗き込み、『ここに何かあるのか?』という表情です。へへッ!何も知らないんだ。ここは“鉄道オタク”にとっては、ある意味重要な所だと思うんですけどネ・・・

「幾寅駅」に到着です。
駅舎へ降りていくと・・・

南富良野町(みなみふらのちょう)

https://goo.gl/maps/WUPayEhHfbQyZ4W39

北海道上川地方南部に位置する町。かなやま湖があり、釣りのほかカヌーやラフティングなどのアウトドアが体験できる町として有名。「幾寅駅」は映画『鉄道員(ぽっぽや)』のロケ地となり、今でも映画で使われた衣装や小道具などを展示している。※Wikipedia

映画「鉄道員(ぽっぽや)」が、彼らにとってどの程度の価値なのかは知りませんが、小生は、というと・・・それどころではなくなっています。腹が空きすぎて気持ちが悪くなりそうなのです。

しかし、目指す“朝飯会場”は、午前11時が営業開始です。まだ1時間程あります。仕方がないので、南富良野の観光で空腹感を紛らわそうと思います。が・・・これといったスポットなどここにはありません。唯一この「幾寅駅」がそれに当たります。

皆さんご存じのあの映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地で知られています。2000年の日本アカデミー賞・最優秀作品賞に輝いた名作です。ここにしばらくステイして、じっくり見学と参ります。

『鉄道員』(ぽっぽや)は、浅田次郎の短編小説。『小説すばる』平成7年(1995年)11月号に掲載され、後に同名の短編集にまとめられ、1997年4月に集英社から刊行された。

1999年に降旗康男監督、高倉健主演により映画化され、第23回日本アカデミー賞(2000年3月)の最優秀作品賞、最優秀主演男優賞など主要部門をほぼ独占した。※Wikipedia

展示パネルより転写

<あらすじ>

北海道の幌舞線の終着駅幌舞の駅長・佐藤乙松(高倉健)は、鉄道員(ぽっぽや)一筋に人生を送ってきた男だ。幼い一人娘・雪子を亡くした日も、愛する妻・静枝(大竹しのぶ)を亡くした日も、彼はずっと駅に立ち続けてきた。

だが、その幌舞線も今度の春で廃線になることが決まっていた。 そんな乙松の前に、ひとりの少女が現れる。どうやら、正月の帰省で都会からやってきた子供らしい。乙松は、あどけない少女に優しく話しかけながら、その少女に雪子の面影を重ねていた。

展示パネルより転写

その夜、昼間の少女が忘れていった人形を取りに来たと言って中学生の姉が駅舎を訪れた。乙松は、彼女を歓待してやるが、彼女もまた人形を忘れて帰ってしまう。

さてその翌日、またしてもふたりの少女の姉と名乗る高校生がやってきた。17歳の彼女(広末涼子)は鉄道が好きらしく、乙松の話を聞いたりして楽しい時間を過ごした。

展示パネルより転写

だが、実は彼女は17年前に死んだ乙松の子供・雪子だったのである。彼女は、自分が成長する姿を乙松に見せに現れてくれたのだ。そのことを知った乙松は、死に目にもあってやれなかった娘への後悔の気持ちが雪のように溶けていくのを心の中に感じる。

しかし翌朝、すっかり冷たくなった乙松の亡骸が、幌舞駅のホームで発見された…。 ※goo映画

ホームに降り立った時から気づいてはいたのですが、ここ「幾寅駅」は、何処を見ても、駅名が「幌舞(ほろまい)」となっています。よ~く探さないと“本名”が見つからないほどです。映画のロケ当時そのままの姿で残してあるようです。

駅名の表記は全て「ほろまい」です。
撮影に使われた旧式の信号機もそのまま残されています。

駅舎の一角(※乙松さんが住んでいた官舎エリアを改装して)は、「ぽっぽや」関連のメモリアル・ギャラリーになっており、写真パネルや小道具、出演者のサインなどが飾られています。もちろん、無料です。お金を払おうにも、ここは無人駅ですから誰もいませんしネ・・・

官舎エリアがギャラリーになっている。
小道具類がそのまま陳列されています。

まあ、良い映画でしたので、小生、十分感動も頂いています。が・・・「北の国から」のようにはいきませんネ。涙の一筋も流れてきません。「北の国から 資料館」なら、小生、もう涙ポロポロで・・・えっ?もうイイ?・・・さようですか・・・それでは、駅の外に出てみることにしましょう。

駅前は何故かだだっ広い空き地になっていて、その周りを家屋が取り囲んでいます。でも、人が住んでいる気配はありません・・・

駅前は広場になっていて、セットがそのままにしてあります。
だるま食堂

そうなんです。これも映画のセットがそのまま残されているのです。だるま食堂や赤い倉庫等、風雪にさらされ見る影もないほど古ぼけてしまっています。が、時間経過での変化を除いて、映画が撮影された当時そのままという感じです。もちろん、あと雪が必要ですがネ。

でも、小生、ここでふと気がついたことがあります。この完全な保存状態についてです。これは、きっと・・・観光協会の意思で意図的に残してあるのではないような気がします。

ただ・・・この町がそれ以降全く開発されなかっただけのことなのではないか?映画のストーリーと同じように、炭鉱町の衰退が限界まで進んだ結果なのではないか?・・・小生には、そんな絶望的な現在の町の姿を反映しているように思われます・・・だって、な~んにもないからサ。

でも、観光客は結構いますヨ。新婚さんと思われるカップルなんぞ、実に熱心に記念撮影をされていますヨ。何か想い出があるようです。きっと・・・二人が最初のデートで見た映画なのかな?・・・でも、それにしてはお若い二人です。12年前はまだ子供だったと思われます・・・??そうか!彼の部屋に初めてお泊りした時に見たDVDだったりしてネ。イヤ、恥ずかしい!! (※こっちが恥ずかしいワ!)

https://goo.gl/maps/fwaX9qZK8gLEHfmW8

・・・

あっ、そう言えば、そんな妄想をしている場合じゃありませんでしたネ。本来の目的である『ご当地グルメ』探訪の時間になっています。小生の空腹感も、この町のように限界にきていますので、(※ほんと失礼な野郎だネ。) 早速歩き始めることにします。

駅から歩くこと15分、目指す場所が見えてきました。「道の駅 南ふらの」です。そこの一角にあるレストランで、今日最初の“飯”にようやくありつけそうです。で・・・

ごはん家 ラーチ

2012年7月13日(金) 今日の かなり遅い朝飯 は・・・

南富良野・道の駅南ふらの 「 ごはん家 ラーチ 」

なんぷエゾカツカレー  ¥950

「道の駅南ふらの」
その中のレストラン「ごはん家ラーチ」で今日最初の“飯”です。

“なんぷ?”・・“エゾカツ?”・・いろんな疑問が浮かんでいることと思います。ですから、いきなり解説と参ります。

なんぷエゾカツカレーは、北海道空知郡南富良野町で販売されているご当地グルメのカレーである。名称の「なんぷ」は富良野地域での南富良野町の略称。

2008年2月に町内でエゾシカ解体処理施設が誕生したことを機に、南富良野町商工会がエゾシカを用いたカレーライスを開発した。

料理の定義は下記のとおりである。

・名称は「なんぷエゾカツカレー(南富良野エゾ風カツレツカレー)」とする

・南富フーズ(株)で処理したエゾシカのモモ肉を使ったカツカレーとする

・エゾシカ肉は叩いて伸ばし、肉厚5mm程度とする(厳守)

・カレーの具材は南富良野産にこだわり、お米は道内産を使用する

・南富良野産にんじんを使った漬物(福神漬け、ピクルス、マリネなど)をつける

・エゾシカの角で作った特製スプーン立てを使い、オリジナルのスプーンカバーをつける

・南富良野町で製造している「くまささ茶」(缶)にグラスを添えて提供する

・価格は全店一律税込み950円とする                 

※Wikipedia

要は“エゾシカ肉のカツカレー”なのです。小生のような内地※の都会人としては、ちょっと・・・抵抗感があります。あのつぶらなバンビ ちゃんの瞳を思い浮かべると・・・注文するのが躊躇われます。

※北海道人がいう、本州・四国・九州のこと。

でも、今はそんなことを言っている場合じゃありません!小生、餓死寸前です。『アンデスの聖餐(せいさん)※』的状況です。御託を並べているわけには参りません。涎を垂らしながらの注文です。早く、喰わせろッ!!(※そりゃ、バンビじゃなくてゾンビだ。)

※『アンデスの聖餐』(アンデスのせいさん)は、1972年10月13日にウルグアイからチリに向かった旅客機が遭難し、雪山で生き残った乗客たちが、死体を食 糧にして生還したウルグアイ空軍機571便遭難事故を描いた1975年のブラジル制作の映画。この事件は他にも『アンデス地獄の彷徨』、『生きてこそ』など、何 度か映画化されている。※Wikipedia

当初の予想を覆して、“エゾシカ肉”は、あっさり淡白な味で、まるで鶏肉のようです。

カレーもかなり煮込んであるようで、コクのある美味しい味わいです。素揚げしてある地元産の野菜も文句なし。カツカレーとのバランスも抜群です。

さすが「カレーの国から?」の富良野・美瑛地域ですネ。一気に食べ進みます。空っぽだったお腹が徐々に満たされるていきます。それにつれ小生の味覚も本来の鋭さを取り戻してきました。

すると・・・鶏肉のように淡白だった“エゾシカ肉”に変化が表れます。肉の奥底に潜む“野生の臭み”がじわじわと染み出してきました。しかも、段々強くなってきてる・・・最後には、カレーの味でごまかしても喉を通らないほどになってしまいました。

全身を嫌悪感が走ります。呑みこむようにラストスパートです・・・そして「くまささ茶」で口をそそぎ、鼻や消化器官から野生の臭みを消し去って、やっと終了です。フーッ・・・

しかし、北海道人はこんなモノをよく喰いますネ。昨年の『旅B夏篇』でも紹介しましたが、このエゾシカ肉が缶詰になって販売されているんですヨ。クマ肉もありましたネ。小生、信じられません。

by
acworks

・・・やはり、北海道という地域は、自然が多く残されている分、野生に近いのでしょうか?・・・ああ、そういえば、けっこう毛深い人も多いですしネ。 (※あのネ、それはアイヌの人達!)

https://goo.gl/maps/ssbM5791GycHw3Sb8

※現在は、「道の駅 さっちゃん食事処」になっていますが、店名変更なのか、経営主体が変わったのか不明。

・・・

今日まだ1食だというのに、妙にお腹が膨れているような?感じです。空腹時に急にかき込んだのがいけなかったのか?変なモノを摂取したためなのか?は分かりませんが、あまり調子が良いとはいえません。しかも、昨日の昼飯 (※どの昼飯?)から4連荘のカレー三昧です。いくらカレー好きの小生でも、少し飽きがきているのかもしれませんネ。

しかし、この地域には、まだ多くの『ご当地カレー』が存在しているようです。最近ではこの周辺5市町村が「富良野・美瑛 カレー街道」なる組織を立ち上げ、イベント等を開催するなど本気で取り組み始めているようです。参考までにご紹介しますと・・・

・美瑛町 「美瑛カレーうどん」 済

・上富良野町 「かみふらの豊味豚カレー」

・富良野市 「富良野オムカレー」 済

・南富良野町 「南富良野エゾカツカレー」 済

・占冠村 「しむかっぷ村 森の恵み 山菜カレー」

・・・

ここで富良野カレー地帯ともお別れです。根室本線を更に1時間ほど東進です。途中「上川地方」から「十勝地方」に越境です。と同時に、天候も曇天から快晴に著しく変化です。

午後1時、「十勝清水駅」に到着。そこから徒歩で“昼飯”会場に向かいます。20分ほどの距離です。

しかし・・・暑いです。携帯電話の温度計も28℃を示しています。先ほどの「南富良野」が18℃でしたので、わずかな時間で10℃も急上昇したことになります。体調が気になるところですが、至って元気です。

ただ・・・お腹が今一すっきりしていませんが・・・エゾシカの祟りかな?・・・

<’12旅B初夏篇 Vol.3>終了

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