’12 チョイ旅B 三崎 Vol.2

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<1日目-2> 2012年5月19日(土)

予定より時間がかなり余っていますので、半島のように突き出た「油壷」の海岸線をぐるっと回るハイキングコースを進みます。

途中、樹木が途切れた場所から「油壷湾」が垣間見えます。その先にある「三崎マリン」というヨットハーバーには、競う合うようにマストが青い空に向かって立ち並んでいます。まるで、『我々は富裕層なの。貧乏人には縁がない別世界なのヨ。』と、誇示しているかのようです。

・・・そうですネ。小生たちのような低所得者層には、このような高額なモノには一生手が出せないかもしれませんネ。精々“物干し竿を新しいアルミニウム製のものに替える”くらいですかネ・・・

高級クルーザーを油壷湾の中ほどに浮かべ、その周りで遊ぶ、幸せそうな“金持ち親子”・・・それを見ていると・・・急に疲れが出てきました。これ以上の“貧乏人の安上がりなレジャー(ウォーキング)”は取り止めです。肩を落として、トボトボとバス停に帰っていきます。あ~あ・・・

バスの到着時間まで、まだ45分ほどもあります。が、先ほどの過酷な“現実”をまざまざと見せつけられ、心も体も萎えてしまいました。午後の強い日差しの中、バス停前に呆然と佇みます。

ふと横を見ると・・・涼しげな日陰に床机台が置かれています。どうやら前にある小さなお土産屋さんの持ち物のようです。店先に“干した天草※”を袋に詰める作業を黙々と続けているお婆さんがいらっしゃいます。この店の女主人さんと思われます。

※テングサ科の紅藻。干潮線以下の岩に生える。10~15センチの平たい線状で、堅く、細かく羽状に分枝し、暗紅色。古くからところてん・寒天の材料にされる。

小生、声をかけます。「あの、おかあさん・・・ここに座っても構いませんか?」ふと顔を上げられ笑顔で「どうぞ」と返答です。「ありがとうございます。」どっかと腰かけます。

しばらく虚ろな時間が過ぎていきます。・・・すると、数名の観光客がやって来て、その内の二人が、小生の横に黙って腰かけました。ピクリと作業を止め、その二人を一瞬睨むお婆さん。しかし、何もおっしゃることはなく作業を再開です。

・・・やがて、「三崎口駅行」のバスが停まり、その観光客たちを乗せ走り去りました。お婆さんが小生に確認です。「あなたは三崎港に行くの?」「ハイ。次の2時18分発に乗ります。」「ああ、三崎東岡行ネ。終点まで行って、そこから10分ほど歩けば三崎港ネ。」「ハイ」

「でも・・・さっきの人達・・・礼儀を知らないわネ。あなたは、ちゃんと私に言って下さったのに・・・何も言わないで、勝手に座っちゃって・・・最近多いのヨ、ああいう人たち。やんなっちゃうワ。海水浴シーズンなんかネ・・・云々」と、昨今の観光客のマナーの悪さを嘆かれます。

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そんなお婆さんのボヤキに深く頷きながら、小生、別のことに感銘しています。それは・・・お婆さんの話す言葉のイントネーションです。きれいな東京弁なのです。でも、ここは神奈川県の南の端・・・東京ではありません。そこで、小生の推測です。

“案外、現在の東京弁というものは、ここ三浦半島が発祥なのかもしれません。遠い昔、徳川家康が関東に転封され、何もない荒れ地に江戸の町を造り上げている頃、ここ三浦の漁師たちも商いをするため江戸に集まり、やがてその多くが町にも暮らすようになった。

当時、町では三河弁や尾張弁(名古屋弁)、駿府弁(静岡弁)が横行していたが、意気の良い魚屋や鮨屋に変身した三浦の人々が町人文化の担い手として主流となり、言葉も自ずと彼らのものが使われるようになった。その結果、三浦の言葉を源とする江戸っ子弁が生まれ、現在の東京弁へとつながっている。”

・・・如何ですか?何となく本当のような気がしませんか?でも、これは小生が勝手に言っているだけの事です。ですから、“他への持ち出し”はもちろん禁止ですヨ。ご注意下さい。

by
penzoh

・・・

バスの終点「三崎東岡」から徒歩で10分、再び「三崎港」に戻ってきました。時刻は午後2時40分。ふと見ると、先ほど摂取に失敗した『ご当地グルメ』の“取り扱いを示す”幟(のぼり)が海風にはためいています。町の中華料理店です。

小生、躊躇なくその店に突撃です。「油壺」で受けた“生活格差の衝撃”を食欲で和らげようとする貧乏人の安っぽい対処法です。お腹も若干空いてきていますしネ・・・

それに小生には・・・やはり『ご当地グルメ』という“生活の底辺に咲く雑草の花”がお似合いです。あんなヨットやクルーザーなんぞ、何の腹の足しにもなりゃアしません。そんな金があるのなら、1年中国内を徘徊してるっちゅうの!悔しかったら、真似してみなさいヨ!

えっ?そんな阿呆な事はしたくない?・・・ほんと、人生の楽しみを知らないネ!一生高慢稚気な金持ちやってろいっ!ってんだ!! (※それを世間では「負け犬の遠吠え」と言います・・・) 普段のお気楽さを取り戻したところで・・・

港楽亭

2012年5月19日(土) 今日の中途半端な昼飯 は・・・

三浦・三崎港 「 港楽亭 」 

三崎まぐろラーメン  ¥850

先回の『旅B春編』にも登場した「まぐろラーメン」・・・今回は“鬼太郎”というようなキャラクターの冠は付いていませんが、「境港」 と同じようにマグロの水揚げ基地である「三崎港」・・・ありがちなモノと言わざるを得ませんネ・・・

三崎まぐろラーメン  まぐろの町、三浦市三崎。様々なまぐろ料理が展開される、“まぐろワールドの町”には忘れてはならない、まぐろ料理がある。それが「まぐろラーメン」である。

この歴史は古く、話は50年ほど前に遡る。当時の三浦は、今以上にまぐろ漁港が盛んであり、鮪漁業者に愛された大衆中華料理の店がたくさんあった。そんなある時、大衆中華の一店が、“まぐろ”を使ったラーメンを開発したのである。

なんと、このラーメンには厳格な条件があり、

① まぐろの兜・中骨・正身等からとったスープを使用&まぐろを使用したトッピングを必ず使用する、

② 現状維持は御法度であり、日々まぐろラーメンレベルを進化させなければならない。

という条件にクリアしたラーメンのみ「まぐろラーメン」と名乗ることができるのである。※ぐるたび

この店は、昔から「まぐろラーメン」を出していた大衆中華料理店の1店舗であるらしい。小生注文の「三崎まぐろラーメン」は、メニューに書かれてある案内文によると“塩味のまぐろスープに、オイスターソースで味付けされた角切りまぐろのあんかけラーメン”とのこと。“第5回B-1グランプリ5位入賞!”も自慢げに併記されています。

どうやら、「境港」のモノとは違って、“生まぐろ使用”ではないようです。

あんかけ風のとろみで覆い隠すように“マグロの煮つけ”がトッピングされています。小生、それを下の麺と混ぜ混ぜして口に運びます。

・・・ウン?・・・生臭い。魚独特の臭みが、全ての味わいに先行して伝わってきます。境港の「鬼太郎まぐろラーメン」にはなかった“恐れていた味覚”が襲ってきています・・・はっきり申し上げて・・・『あまり・・・?』です。麺やスープは、中華店らしく、まあまあなレベルですが、これに何故マグロを入れなければならないのか?・・・

まあ、それでないと「まぐろラーメン」にはなりませんけどネ。でも、何か他に工夫はなかったのでしょうか?・・・“ラーメンあまり好きではない人間”の小生には酷な食べ物です。

えっ?残したのかって?・・・いいえ、完食完飲させて頂きましたヨ。えっ?何故って?・・・ラーメン鉢の底に「目玉おやじ」がいるような気がしてネ、ついついです。・・・??

これで、小生、一安心です。というのも、イベント出展のため臨時休業で摂取失敗に終わったお店・・・一番の有名店ですが、この感じですと・・・いくら人気があるからと言っても・・・所詮この「まぐろラーメン」です。たかが知れているに決まっています。

しかも、その店は、この地域で最初に生マグロを具材に使用したとのこと。食べなくとも、何か、生臭さが漂ってきそうです。あの「鬼太郎まぐろラーメン」のように、ラーメン汁にしばらく浸してタタキ風に調理して食べなければならなかったかもしれません・・・

しかも、ラーメン鉢の底には「目玉おやじ」はいませんしネ・・・ (※まだ言ってるヨ。余程「目玉おやじ」が気に入ったようですネ・・・ガキか!)

Google マップ
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・・・

期待外れに、何か一気に疲れが襲ってきました。早めにホテルに入って休憩することにします。やはり『旅B春編』からすぐの“旅B立ち”は無謀だったのかもしれません。

あの時の「鳥取の山城連続制覇」を始めとする徒歩行脚のダメージが知らず知らずの内に蓄積され、小生の精神・気力に影響を及ぼしているのかも知れません。歳のこともありますし、今後はこのような無茶は控えなければなりませんネ。『よし!これからは“山城制覇”はひとつだけにしましょう!』 (※そっちかいっ!・・・)

今日の宿泊先の「サンポートみさき¥6,300」にチェックインです。

この宿は、観光ホテルでもビジネスホテルでもありません。釣り人や漁船員のための宿泊所といったところ。東南アジアからと見られる外国船員さんも、怪しげにうろつかれています。

玄関でスリッパに履き替えたり、小さな風呂が共同であったり、宿泊客のためのリビングスペースがあったりで・・・まあ、民宿に毛が生えた程度ですネ。(※でも、1泊素泊まりで6,300円もしますが・・・これは、この辺りには大型宿泊施設が少なく、需要と供給のアンバランスな関係で、歪な料金体系となっているためです。)

ですから、快適なホテルライフは望めそうにありません。では、どうしてそんな宿に?・・・皆さんの疑問、至極ごもっともです。ですが、そこには深い理由があるのです。えっ?どうせ“喰いモノ”のことだろう?って?・・・ピンポン・ピンポン!大当たりです。でも、どうして分かってしまったのかな?・・・ (※あのネ、あんたの行動基準に“餌”以外だったことあるの?・・・深い理由だって?・・・ケッ!)

・・・

夕刻の影が深くなるのを待って、今日最後の『ご当地“まぐろ”グルメ』探訪に出かけます。時刻は午後6時40分。前述の通り、地の利があるので、目指すお店にはすぐに到着です。で・・・

鮨処 たち吉

2012年5月19日(土) 今日の、夕飯は・・・

三浦・三崎港 「 鮨処 たち吉 」 

まぐろソースかつ丼 ¥1,000 

だけで済ますつもりが

まぐろの刺身 ¥2,000 で一杯しちゃいました! 

この店は、三崎港でも“クロマグロ(本まぐろ)”がメチャ美味!と評判のお寿司屋さんです。ですが、小生、ここはグッと我慢して『ご当地グルメ』だけ摂取と考えていました。というのも、小生、“最高のクロマグロは値段が超高い!”という既成概念に支配されていたからです。それに、そんな高級食材は、『旅B』には相応しくありませんからネ。

さっさと喰らって、さっさと帰るつもりでいました。ですから、小生、カウンターに腰かけるなり、「まぐろソースかつ丼」を迷わず注文です。

ご主人が奥で調理にとりかかっています。カツを揚げる軽やかなSE(効果音)が小じんまりした店内に響きます。それを待つ間、手持無沙汰な小生、ついつい目の前の「ねたケース」に視線がいき、中で鎮座されている“まぐろ君たち”を見つめてしまいました。

『美味そう・・・でも高そう』とその時、何故だか、昼間の“油壷金持ちクルーザー親子”の姿が目に浮かびました。『あのブルジョア親子・・・今夜、きっとこんな庶民的なマグロじゃない、もっと高級なモノを食べているんだろうな・・・ちくしょうめ!』

小生の心にメラメラと“対抗の火”が突然灯りました。「オヤジさん!マグロの盛合せと生ビール、下さい!」奥から不思議そうな顔で出てきたオヤジさん、『さもありなん』と言った表情に変わり、「じゃあ、2,000円で」と、のたまいます。『えっ!たった2,000円!』 という驚きの表情を隠して、小生、平然と「ええ、お願いします」と反応です。

・・・でも、安い、というか安過ぎです。どんなモノが出てくるのか?少し心配です・・・

が、そんな不安は無用でした。皆さん、下の写真をご覧下さい!この立派なお姿の“マグロたち”を!!大トロ、中トロ、赤身の揃い踏みです。

『それでも高いんじゃない。』とお思いの名古屋地方の皆さん、これは“キハダマグロ”ではないんです。正真正銘の“クロマグロ君”なんです。そういう正しい見方をお願いしますヨ・・・

それに、優秀会員さんなら覚えてらっしゃるとは思いますが、一昨年の「’10旅B夏篇(青森・函館)Vol.5」でご紹介した“大間のまぐろ”。これが同じお姿で、しかも、これよりやや色艶が悪くて5,500円もしましたネ。

それと比較しても、チョー破格値です。“安くても最高級な品質”という夢のような話がこの世に本当に存在するんですネ。感激です。

では、そのお味の方は?・・・これが、見た目通り、チョー!チョー!チョー!が3つ程つくバカ美味さです。小生の“マグロ食歴”でも、1、2位を争う逸品揃いです。

大トロ
中トロ

「大トロ」は言うに及ばず、「中トロ」もこの世のものとは思われないほどの美味しさです。中でも、「赤身」は化け物クラスの味わいです。

赤身

小生、「中トロ」より美味しい「赤身」があることを初めて知りました。生ビール2杯と共に、あっと言う間の『ご馳走様!』です。そして、このマグロ君たちとの遭遇を誘発して下さった、あの“油壷金持ちクルーザー親子”に心より感謝です。『本当にありがとう!あなたたちも、たまには良いコトをするんですネ・・・』 (※その親子には何の関わりもないことでしょ。嫌ですネ、貧乏人のひがみ根性。犬も喰いませんヨ。・・・何?豚も喰わないって?・・・完全にひがみです。)

次に、当初の狙いだった『まぐろソースかつ丼』に向かいます。

三崎まぐろソースかつ丼  神奈川県・三浦市にはまぐろの港として有名な三崎港がある。その町の飲食店の有志達が集まり、「三崎の町を盛り上げていきたい!」という意気込みと共に誕生したのが、「まぐろソースかつ丼」である。

地元で水揚げされた鮮度抜群のまぐろの尾の身を使用し、値段が安くて美味しくて、また食べたくなる、そんなメニューを必死で考えた末の新メニューである。

尾の身は筋が多く、刺身には向かないが、熱を通すことで筋の部分がゼラチン化し、とても美味しくなる。まるでヒレ肉のよう、ヒレ肉よりも柔らかく、あっさりと食べられるかつ丼に仕上がっている。

現地では、「まぐろソースかつ丼憲章」を作成し、それに合格した店舗のみメニューに加えることができるという徹底ぶりである。 ※ぐるたび

まぐろソースかつ丼憲章

●上まぐろの尾の身を130グラム以上使用

●三浦きゃべつをたっぷり添える(旬の11~5月頃のみとなります)

●小鉢料理一品以上とお椀が付きます ●値段は一律¥1,000ぽっきり

まあ、要は“今まで活用されることなく廃棄同然だった「マグロの尾の身」を使って一儲けしよう”と企んでいるのが、この『まぐろソース かつ丼』のようです。

ですが、この店は、その辺の大衆食堂と違って、歴としたお鮨屋さんです。揚げ物の調理にも定評があります。今日最後の摂取ですし、期待 をもってがっつきますヨ!

今日の〆を飾るのに相応しい堂々としたお姿です。カツの揚げ具合も、さすが鮨屋の腕前です。衣はどこまでもカリッとして、中は素材を壊 すことなく柔らかく仕上がっています。

小鉢の「ふろふき大根のそぼろあんかけ」も美味しいです。

これに、この店の特製ソースをたっぷりかけて頂きます。ねりごまとケチャップ、ソースを合わせた、ごま風味の和風ソースです。優しい味 が予想されます。

ところが、この特製ソースがいけません。味が優し過ぎて、かえって全体に調和していません。印象が薄い感じです。

店側の意図としては、それだけ“まぐろカツ”の旨さを味わって貰うつもりなのでしょうが、マグロというものは熱を加えれば、かなり淡 白なモノになってしまいます。それに、一面のキャベツです。薄い印象と淡白さ・・・これは、もう離婚寸前の夫婦生活です。 (※???)

もう少しソースの刺激を足して、インパクトをつけた方が良いと考えます。やはり、何においても“刺激”は大切です。それぞれの良さを引 き出しますからネ・・・ (※何のこと言ってる?・・・)

小生、最後まで印象を見つけられないまま・・・完食と相成りました。。 (※まるで大昔に破綻したあんたの結婚生活のよう・・・ムムム)

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・・・

最上の「まぐろ刺身」に出逢って、上機嫌でご帰還です。さあ、あの船員宿に戻ろう!でも、危険が危ないので、戸締りをきちっとして貴重品を抱いて眠ることにしよう!もちろん、あの薄汚い風呂はパスですヨ。今日はそんなに汗をかいてないしネ。 (※汚い!)

明日は早朝から“マグロづくし”が待っていますしネ。皆さんも大いに期待して下さいヨ!では、お休みなさい、です・・・

<今日の歩数>19,315

<チョイ旅B三崎 Vol.2>終了

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