旅B秋篇 釧路・根室 Vol.3

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<2日目-1> 2010年10月8日(金)

人も疎らな早朝の釧路駅。 昨日の「足湯めぐり号」と同じ型の 気動車で、根室に向かいます。

釧路駅5:55花咲線始発「快速はなさき」で、根室までの2時間あまりの“汽車(※!)の旅”です。曇天なので、窓からの景色は期待できませんし、さすがに早いのか、今回は変な人種たちも乗り合わせていません。退屈なものになりそうです・・・

ところで、聡明な皆さんはもうお気づきのはず。「今日の朝飯はどうした?もう食べたんでしょ?レポートがまだだよ!」苦情の声が聞こえてきそうです。

しかし、しかし、小生、今朝はまだ何も口にしていません。別に胃腸の調子が悪い訳でも、体調を崩している訳でもなく、ましてや持病の痴呆症が進んだのでもありません。

その理由は、今日の朝食、というより“今日から2日間の食事(※計5回)”を「あるB級グルメ」にすべて費やそうという目論みだからです。 そのB級グルメとは、『根室めし』です。そのバリエーションは実に豊富で、他のB級グルメのように1回だけのご対面だけでは、その神髄に触れることはできないのです。

が、『名古屋めし』と違って、あんかけスパや手羽先などジャンルを超える幅広さはなく、あくまでも“ONE DISH”の洋食という分野に留まります。

“ONE DISH-1つの皿に盛られた洋食”と聞いて、皆さん、何かを思い出しませんか?・・・

そうです。長崎の「トルコライス」が“ONE DISH”の洋食です。しかも、名こそ全部「トルコライス」と呼びますが、その組合せによるバリエーションは豊富で、『根室めし』とよく似ています。

が・・・日本の“西の端”と“東の端”…そこにしか存在していない…?不思議です。その謎解きにも挑戦です!

花咲線(根室本線)は単線なので、釧路に向かう列車と交差するため、途中「厚岸」「厚床」で15分程度停車して、のんびり進みます。「快速」とは名ばかりか?と疑うほどですが,「根室駅」には時刻通り8:13に到着です。

途中「厚岸駅」でしばらくの停車。 牡蠣で有名なので、 もう少し時間があれば・・・ 残念至極!

根室の洋食屋さんは、都会と違って早いところでは午前8時には営業を開始しており、すぐにも訪ねることはできるのですが、その前に、何と根室観光の第1発目です。(※ねっ!小生、そんなにガッついてないでしょう。そん所そこらの大食漢とは訳が違います!・・・?)

ホテル(根室グランドホテル※一見さんです。)に荷物を預け、歩いて20分程度です。

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東根室駅(日本最東端の駅) 

https://goo.gl/maps/xJoBdMueihvqEag77

東根室駅(ひがしねむろえき)は、北海道根室市昭和町4丁目にある北海道旅客鉄道(JR北海道)根室本線(花咲線)の駅。

高台に位置する無人駅で1面1線のホームがある。駅舎はないが、日本最東端の碑などが置いてある。終点の根室駅はこの駅より北西に位置している。※Wikipedia

駅舎のない駅。切符はどこで買うの?

小生が来た列車(※快速ですから)では止まらないため、こんなに歩かされたのですが、別に「鉄道オタク」になった訳ではなく、第1回の『旅B』で、日本最西端の駅「佐世保」を踏破したので成り行き上、といったところか。ちなみに日本の最北端の駅「稚内」も以前に訪問済みです(※No Report)。残すは最南端の駅「西大山駅※鹿児島県」だけです。

<資料写真>

日本の最西端の駅「佐世保」
日本の最北端の駅「稚内」

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再び「根室駅」まで戻ってきて、ようやくの朝食です。あ~、腹減った!

ニューモンブラン

2010年10月8日(金) 今日の遅めの朝飯 は・・・

根室・駅前 「 ニューモンブラン 」 

エスカロップ (元祖筋) ¥840

“エスカロップ”は、『根室めし』の中で最も有名なもの。この「ニューモンブラン」は、元祖筋にあたるお店。昭和時代の豪華装飾の喫茶店そのままの立派な店内。午前9時から営業ですが、客は小生ただ一人。じっくり味わえそうです。楽しみ!

エスカロップは、北海道根室市の地方料理。略してエスカとも呼ばれる。

炒めたライスの上にトンカツを載せ、ドミグラスソースをかけたもの。通常、皿の端にサラダを添える。ケチャップライスを用いる赤エスカと、バターライスを用いる白エスカがあり、現在は白エスカが主流。白エスカのバターライスには微塵(みじん)切りの筍(たけのこ)が入っている。

「エスカロップ」の語源は諸説があるが、一般的にはフランス語の「エスカロープ」(肉の薄切り)とされる。語源の意味の通りエスカロップのトンカツには、比較的薄切りの豚肉が用いられる。

根室市での知名度・普及度は非常に高く、同市の「郷土料理」として紹介される場合もある。しかし、根室市および根室支庁管内の地域以外ではほとんど見られないメニューである。※Wikipedia 

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その発祥は、1963年(昭和38年)ころに根室市で考案されたといわれています。森町出身のシェフ古村氏が根室市内にやってきて、洋食レ ストラン・喫茶の「モンブラン」に勤め、エスカロップを考案・提供したのがはじまりです。創案者はすぐに根室から旅立ちましたが、昭和 50年頃に根室市内に急速に広まり定着しました。

「モンブラン」というレストランは、エスカロップ誕生に貢献したあとすぐに閉店します(昭和40年閉店)。ここで勤務していたシェフが独立創業し、「ニューモンブラン」を、「ニューモンブラン」から「どりあん」が独立創業しました。これらの店舗がエスカロップを広めたとされていますので、元祖エスカロップの後継者といえます。※北海道ぷっちがいど

『根室めし』の代表格、「エスカロップ」 朝からこのボリュームです。 バターライスもカロリー高そう!

小生の前に供された「エスカロップ」は・・・長崎の「トルコライス」と比較してですが・・・『盛付け方が違うので、形(なり)は全く違う印象・・・が、食してみると・・・バターライスにトンカツ、それにドミグラスソースの味わい、それらの地続き?にあるサラダのシャキシャキ感・・・ナポリタンスパはないものの、うん!・・・やはり似ている。

日本の東と西の端に住む人々の思い・・・というか“暮らしているその土地の根底にある何か”が繋がりあっているようで、決して別々のものではない・・そんな印象を持たせます。少し濃味ですが、美味しい!です。

https://goo.gl/maps/fDHSxpsHFafDSto77

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ここで、ついでながら「根室」と「長崎」について、小生の一考察を参考までに述べてみたいと思います。

その前に、この後小生が「根室」滞在中におやつとして食べた(※隠れて食べたな!)根室土産の代表格である「オランダせんべい」について説明します。

これが端谷菓子店の「オランダせんべい」。 謎が謎を呼ぶ不思議な「せんべい」。 かなりの弾力があり、知らなければ 湿気ていると勘違いする。 それが、また不思議・・・??

オランダせんべいは、北海道根室市およびその周辺で発売されている小麦粉でできた煎餅である。

原料は小麦粉・砂糖・塩・膨張剤(重曹)である。直径16cmほどの円形をしており、厚さは8mm前後の薄いものである。ベルギーワッフルのように表面に凹凸の模様がある。この模様のパターンは全体の1/4ごとに異なっている。専用の焼き型に生地を入れて焼き上げる。

一般の煎餅のようにパリパリしておらず、湿気を持ち弾力のある柔らかい食感を持つことが最大の特徴である。この食感と、かみしめると口に広がる素朴な味わいに郷愁を感じる根室出身者も多い。なお、この食感は絶妙の焼き加減から生まれるものであり、焼きすぎると通常の煎餅のようにパリパリするという。

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オランダせんべいという奇妙な名前の由来は、長崎県平戸名物の「オランダ煎餅」からきている。長崎県平戸では、模様の由来をオランダ人の靴跡をデザインしているから、と言い伝えられている。また、平戸のものは大判、小判と大小二つのタイプが存在し、根室のものに比べ厚く固めに焼かれている。(※普通の煎餅のようにパリパリとした仕上がり)

いつ頃から根室で販売されていたのかは定かな資料がなく不明だが、漁のため長崎から来ていた船団の置き土産ではないかと推察される。事 実、日本海北上ルートの富山・函館・根室と同じものが伝わっており、明治時代の記述には函館でも売られていた記録がある。

最盛期にはたくさんの製造元があったが、次々と撤退し、最盛期から残っているのは「端谷菓子店」のみである。

https://goo.gl/maps/tMGNevcAmtpHRgrV9

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どうですか、皆さん。「長崎」から「根室」への文化伝承の決定的事実が、ここに隠されています。

形(なり)は瓜二つであるにも拘わらず、長崎平戸の「オランダせんべい」は、固くてパリパリしているのに、根室のものは、弾力のある柔 らかい食感が特徴。何故なのか?・・・

それは・・・長崎から永い航海を続け、やっとたどり着いた根室。お土産品として持ってきた折角の「オランダ煎餅」は、湿気ってしまって柔 らかくなっている・・・

しかし、それを食べた根室の人々は、そこに味わい深さを感じ、この状態が「オランダせんべい」の正しい姿と思い込み、努力を重ね、今の 絶妙な焼き加減を完成させたものと思われます。

この例は、かなり昔の話ではありますが、今でもその流れは生きている・・・「トルコライスとエスロップ」にも、きっとこのような文化伝承 があったのではないかと、小生は推測する次第です。

確かに「エスカロップ」は“1963年に根室に誕生した”という歴史的事実はありますが、その誕生前にこの地に流れていた文化的素地は、 確かに長崎から伝わっていたのではないか・・・(※ちなみに「トルコライス」は1950年代に長崎で生まれる。)

「長崎」と「根室」の関係、実に面白いでしょう。誰か研究してみませんか?えっ、小生が、ですか?・・・それはありません。小生、性格と いうか性質(たち)というか、全く薄っぺらなもので・・・ああ、そうそう、丁度この「オランダせんべい」のようなものです。チャン、チャン (※お粗末さま!)

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少し遅めの朝飯に満足したので、次は根室観光第2弾といきましょう!再訪ではありますが、「風蓮湖」に大陸から渡ってきている白鳥を見 に行きます。

先回は季節が晩夏だったので、白鳥は一羽もいなく、そこには、だだっ広い沼というか湖があっただけ。野鳥がいると聞いていましたが、青 森市内で人を探すのと同じくらい、なかなか見当たらなく、非常に残念でした。だからこそ今回は、と思い立ったのです。

しかし、念のため、路線バス出発前に観光案内所で確認です。「白鳥?・・・まだ一羽も来てないですヨ。もうちょっと寒くならないとネ・・・」 でも、十分寒いじゃないですか。これでも・・・ダメなのね・・・

仕方がないので計画変更です。午後遅くに予定していた根室観光第3弾を前倒しにします。

ただ、その場所は何もないことが予測され、食事を逃す恐れがあるので、連続ではありますが、少し早めの昼食と致します。

どりあん

2010年10月8日(金) 今日の早めの昼飯 は・・・

根室・常磐町 「 どりあん 」 

エスカロップ (元祖筋) ¥840

「えっ!またエスカロップ?」皆様の落胆の声が聞こえてくるようです。しかし、小生、どうしても「エスカロップ」の元祖筋を制覇したい のです。

店構えも進化してカジュアルに・・・?

「モンブラン※昭和40年閉店」から発祥し、それが「ニューモンブラン」に引き継がれ、そこからまた「どりあん」へ。伝統の正しい継承で す。

でも、こういったケースは稀で、多くの「B級グルメ」は途中で途絶え、違うものに変化してしまったり、元祖店の周辺で“まがい物”が横行し、それがそのまま主流となってしまったりと、「B級グルメ」の歴史は、破壊・変化の歴史でもあるのです。ですから、その正しき継承を自分の舌で…という訳です。

「どりあん」は、元祖店から見れば、孫の店舗になる訳で、それだけに、店内の雰囲気も含め、カジュアルで若々しさに溢れています。

味もクドさを排除し、品の良い味わい

味付けの方も、伝統を重んじている中に新しさも若干加味しているようで、全体的には、やや薄味の品の良い仕上がりです。連続摂取にして は、美味しく頂きました。

https://goo.gl/maps/VpL8ZhuPzqsfSKrB8

<旅B Vol.3> 唐突に終了

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